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Yoshinori Kuno

1. アンビエンテックがどのように始まったか教えてください。

アンビエンテックは2009年に「環境やエネルギー、人の健康を考えるデザイン家電ブランド」を始める目的で設立しました。
また、携帯ソーラパネルや携帯電話の充電器をその直後にローンチしています。しかしながらビジネスとして結果を出すことは困難でした。

2011年に日本の東北で大震災が起こりました。その光景を目の当たりにすることで、ビジネスに対する考え方にも変化がありました。

「美しいもの、長く使えるもの」といった極めシンプルなものに対して自身が興味があり、それを実行することが世の中のためになるのではないか?と

*そもそも私のバックグラウンドは、カメラや写真業界での仕事で最も得意とするところは、水中撮影機材すなわちカメラの防水ケースや、水中照明を設計開発し製造する協力工場のリソースをもっていることでした。デジタルカメラがスマートフォンの登場によってビジネストレンドから外れていくなかで残されたスペースは、水中を鮮やかに照らし出す唯一無二の水中ライトを世の中に出すことでした。

また、その技術を日常の生活に役立てられないか?と考え2011年に初めてイタリアに行きミラノサローネ、エウロルーチェを視察したのがきっかけとなります。そこでは、多くの照明ブランドが今まで見たこともないような素敵な表現で世界にアピールし、サローネサテリテにおいては世界中の若手のデザイナー達が切磋琢磨する姿を目の当たりにします。

2. アンビエンテックは現代の感性と革新を深く取り入れながらも、マエストロ(偉大な先人たち)のデザイン文化に根ざしたブランドだと感じます。過去と現在のバランスをどのように保っていますか?所謂、「私たちは巨人の肩の上に立っている(先人の偉業の上に新しいものが生まれる)」という言葉の通りだと思いますか?

60年代にデザインされた名作は今でも世界中の人々に愛されています。そのように「美しいもの、長く愛されるもの」は、使う人・作る人を豊かにするだけではなく,環境にとても優しいといえます。
また、多くのマスターピースがあるなかで革新的な家具を生み出すことは容易いことではありません。ただし、照明においてはそのチャンスが大いにあると私は考えています。LEDとリチウムイオンバッテリーという2つの技術革新が同時期に実現化され、その組み合わせによってこれまでの概念にとらわれない照明器具の開発が可能になったからです。

3. 光は感情と深い関係があります。それは知覚と好みの問題です。そのため、Ambientecの製品を使用してもらうことやプロジェクトをはじめとしたコラボレーションは、相手へ無理に押し付けることはできず、互いに共感しあえた時に自然と起こる選択的親和性に基づいていると思います。このような仕事はどのように生まれ、進んでいくのでしょうか?

アンビエンテックが作る光は、白く眩しい光のような緊張感のあるものではなく空間を上質にするためのエモーショナルな光です。そのため、その光量と光色の関係にはこだわっていて、特に「一番暗いとき」の光の色と明るさの調整には最大の注意を払います。照明なのに暗いときを重要視するのは、あまり理解されないかもしれませんね。

つまり、Ambientecの照明は部屋を明るくするという従来の照明に課せられた機能としての照明でなく、光源そのものや、照らされる対象物を闇と共に楽しむ照明です。

日中の消灯時は、美しいオブジェとして自然光へリスペクトを払いながら協調し共存することで、末長く人間に寄り添う相棒のような存在になって欲しいと願っており、Ambientecのコラボレーションはそのような思いや価値を共有できるパートナーと育んでいきたいと願っています。

4. 新しいプロジェクトに取り組むとき、どんなことを考えていますか?チームや協力者にどのような意見を伝え、どのような目標を達成しようとしていますか?

新しいプロジェクトを始めるとき、なにを作りたいのかをまず自分自身で方向づけます。
デザイナーとのディスカッションでは、その意向を伝えて、さらに世の中にない独自性が高く、マスターピースになり得ることを条件にスタートします。

デザイン案が決まったら、我々はそのデザインが一番引き立つための素材や加工方法、表面仕上げを検討します。製造コストや生産効率を最優先するようなことはしません。

純粋に、それを見た人が感動するシーンを想像しながらデザインを最高の形に仕上げることを目標としています。

5. アンビエンテックの夢は何ですか?また、照明業界の未来をどのように考えていますか?

アンビエンテックが実現したいことは、我々の思想、このチームから生まれたものを世界中の人に使ってもらうことと、購入後継続的に使用できるように、修理などしっかりとサポートし続けることです。

照明業界は今後、おおきく二極化するのはないでしょうか。まずはスマートフォンや他のデバイスとコミュニケーションをとることや、センサーとAIによって自動制御されるようなもの。あとは、トーチライトのような道具に近い直感的に使用できるようなもの。私たちの役目は、新たな技術やトレンドがアンビエンテックのユーザーにとって必要なのかを見極めてプロダクトとして表現することと思っています。