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Shiro Kuramata

倉俣史朗は、20世紀の日本で最も重要なデザイナーである。彼の、西洋のデザインとも日本の伝統的なそれとも大きく異なる独自のスタイルが、後のデザイン界に与えた影響は計り知れない。倉俣は、空間と家具デザインを中心に、1960年代半ばから亡くなる1991年まで活動している。
手がけた空間の大半は店舗で、現存するものはごく僅か。全世界で109店のイッセイミヤケのブティックを手がけている。

一方家具や照明は、シュールレアリズムや現代美術からの影響が強く、浮遊感、透明性、儚さ、独特の素材使いなどが大きな特徴。効率やマーケティングを重視した現代に多いデザインとは対極にある。
イタリアのカッペリーニ社などから家具も発売されているが、大量生産に向かないアートとプロダクトの中間の存在が殆どである。

代表作は、エキスパンド・メタルを溶接で繋いだ 「How High the Moon」や、透明なアクリルの中に、バラの造花を封じ込めた 「ミス・ブランチ」 。
どちらも高い職人の技術が用いられているが、そうした痕跡を残さないのが倉俣流だ。
エットレ・ソットサス率いるメンフィスの活動にも参加している。
また、パリのポンピドーセンター、ニューヨーク近代美術館 (MoMA) 、バーゼルのヴィトラ・デザイン・ミュージアム、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館など世界の主要な美術館で、彼の手掛けた家具・照明がパーマネントコレクションとして収蔵されている。
また、今年末には香港でオープンするデザインミュージアムM+で、1988年にデザインした新橋の寿司屋「きよ友」が移設され常設展示される予定。

By Shiro Kuramata